自己の理解者
心理学では人間の意識について顕在意識と潜在意識の2つに分けて考えられています。顕在意識は自分で認識している意識です。潜在意識は自分で認識していない意識です。この2つの意識の割合を聞いたことがあるでしょうか。顕在意識:潜在意識=1:9です。顕在意識は認識しようとしなくても認識しているのでつまり、自分自身のことを理解している人は実は世の中にそう多くおらず、それどころか知らない人のほうが多いということなのです。自分自身を知ろうとすることは潜在意識を顕在意識に持っていくことなのです。
自己理解の重要性
なぜ自己理解をするのでしょうか。自分がどういった人間か分からないと様々な場面で躓いてしまうからです。例えば同期とコミュニケーションを取るシーンです。私の実体験だと私がAという人に話しかけに行こうとしたらBがAに話しかけに来てわたしは何事もなかったかのようにその場を離れる事がありました。「またAと話す機会があるだろうしその時に話しかけよう」と考えていたのです。しかしそれ以降Aと2人で話すことはありませんでした。なぜ私はこのような行動を取ってしまったのでしょうか。このときは深く考えていませんでした。しかし、最近になって自己理解の重要性を感じこの出来事について私自身の行動の心理を分析しました。
まず、なぜ私はAに話しかけに行こうとしたのかです。最初はAと話したいからと考えていましたがそれではBが来たことで私がその場を離れたことへの説明がつきません。話すことが目的ならBが来たところで3人で話せばいいわけですから。そこで私は一つ仮説を立てました。もしかして私はAと話すことでAからの視線を得たかったのではないかと。そうすると私の行動が理屈として分かるようになってきたのです。この頃私はAに執着していたのでAからの視線つまりは承認を得ることに必死でした。この人に認めてもらいたいと思っていたのです。ここからBがAに話しかけに来たことで私がその場を離れたことへの説明がつきます。Aからの視線を必要としていた私にとってBの視線は不必要なものでした。だから、Aに他の人が関わると私はその場を離れていたのだと思います。そしてAに執着していたのは私が一定Aに対して無意識のうちに信用を置いていたいたためだと思います。Aなら私のことを見てもらえるだろうという信用です。Bへの信用はなかったのでAにBが関わる状況から自分を守るために離れたかったわけです。
次に「またAと話す機会があるだろうしその時に話しかけよう」という思考です。ここまで読んでいただいたならなんとなく察しはつくと思いますがこれは建前です。自分の本心からそしてAから逃げるために作り上げた建前です。結局は自分が傷つくのが怖かったんです。機会(チャンス)というのはそう簡単に訪れるものではありません。現にAと話す機会は訪れませんでした。あのときに私自身に本当の目的が分かっていれば意識を変えてAとBが話しているところへ話しかけに行くこともできたかもしれません。後からでは遅いのです。後悔したくなければできる限り早めに自己理解をして偶然訪れる機会(チャンス)をものにしなければなりません。
自己理解の方法
自己を理解するための方法はいくつかありますがここでは3つ紹介します。一つは私のようにエピソードから分析すること、2つ目は自分の特徴を紙などに書き出すこと、3つ目は周囲に教えてもらうです。
エピソードから分析する
エピソードから分析する場合、主に分かるのは状況ごとの自分の心理状態です。どのようなときに自分がどのような行動を取るのかそのt機の心理状態はどうだったのかがわかります。その時の心理状態が分かると自己を見つめ直し行動を改める機会にもなります。この方法は分析をするのが好きな方におすすめの方法です。
自分の特徴を紙などに書き出す
このやり方は自分のことが全体的に分かるようになります。そして50個は書き出せると良いでしょう。10や20なら頭をちょっとひねれば出てきます。しかしそれでは顕在意識の域を抜け出しません。潜在意識に潜む特徴まで把握するなら50じゃなくとも40は最低出しておきたいところです。時間がかかり飽きやすくなる方法ですしコツコツと出していくと良いでしょう。モラトリアムの方は自分の考えや価値観に変化が生じやすいのでできる限り短時間に出すか、他の方法を試しましょう。
周囲に教えてもらう
自分の身近にいる家族や同僚、先生などに自分がどんな人間か教えてもらいましょう。自分の特徴を客観的に知ることができます。ただし、このやり方には欠点があります。教えてくれる人の意見に忖度が含まれることです。もしかしたらあなたのことを傷つけまいを言葉をオブラートに包んだり言葉を濁すかもしれません。そうなると正しい情報が得られなくなります。忌憚のない意見を集めるようにしましょう。
最後に
私の体験談となりましたが自己理解の重要性と方法について理解していただけたでしょうか。これからのあなたの人生、機会を逃さぬよう自己理解を深めてもらえたらと思います。
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